腱板断裂(Rotator Cuff Tear)
原因
腱板断裂は以下の原因で起こります:
加齢による変性 – 年齢とともに腱が弱くなり、50歳以上の患者に多く見られます。
外傷や事故 – 転倒や腕を強く振ったときなど。
肩峰(アクロミオン)による圧迫 – 骨と腱が繰り返し擦れ合い、断裂が生じます。
症状- 肩の前方や側方の痛み(上腕に放散することもあります)
- 痛みは特に横向きで寝たときに強くなる
- 大きな断裂では腕が上がらない
- 肩周囲の筋肉萎縮による腕の筋力低下
病態の進行- 断裂した腱板は自然には治りません
- 時間が経つと断裂は拡大します
- 放置すると腱が縮み、修復不能となり、将来関節症を引き起こす可能性があります
- 診断にはMRI検査が必要です
治療 関節鏡下腱板修復術(Arthroscopic Rotator Cuff Repair)- 特殊なアンカーと縫合糸で断裂した腱を修復
- 直径4mmの関節鏡と専用器具を使用
- 1cmほどの小さな切開を肩周囲に5か所作成
期待できる効果- 肩の痛みが改善
- 腕を上げやすくなる
- 荷物を持つ、髪をとかす、背中に手を回すなど日常生活が楽に
- 夜間の痛みが減少し、睡眠の質が改善
回復
- 腱が癒合するまで4週間スリングで固定
- 腱の癒合率は 80–90%(手術方法や腱の状態による)
- 痛みや機能の改善は術後 4–5か月 で得られる
- 術後リハビリは肩の拘縮を防ぐために非常に重要です
Dr. Trai Promsang
Sukumvit hospital